日本ヒューマン・ケア心理学会
学術集会第24回大会
ご挨拶
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界の感染者数がついに1億人に近づき、200万人を超える犠牲者をだしました。ワクチンの開発や普及は今も続いていますが、世界では毎年、新種の感染症が確認され、第二、第三のパンデミックを防ぐために、「One Health;人、動物、生態系、この3つの健康を1つのものとみなして守ること」をどう実現するのかに注目が集まっています。
日本は、新型コロナウイルス感染症をインフルエンザ相当の5群に移行させ、「With コロナ」政策を進めています。Withコロナ時代を迎え、私どもの学会も新しいヒューマン・ケア心理学を発展させていく必要があります。
日本ではパンデミック前から、社会は市場原理で利益至上主義、雇用不安、福祉の削減、共生コミュニティの解体という変化が生じており、生活者の関心事は「私生活保守主義」へと変化したといわれます。多くの現代人は、苦悩(特に経済的問題)が社会や政治問題から派生しているとする発想はなく、あくまでも個人的問題、自己責任の範疇としてとらえる傾向が強くなっていました。生活不安や将来不安による心身の不調が「個人内の病」として枠付けされ、人々は「クライエント化」されてしまうと指摘されていました。
第24回実行委員会では、With コロナの新時代のテーマとしてセルフコンパッションを取り上げます。コンパッションはキリスト教では「憐み」、仏教では「慈悲」を表す言葉だそうです。コンパッションは、神様や仏様が私たち人間を見つめるまなざしや存在を表していますが、人においても他者に対しあわれみ深くある生き方があります。このコンパッションに「セルフ」という言葉が加わり、今、「セルフコンパッションセラピー」が注目されています。自身の負の部分を含めた「ありのままの自分」に対してコンパッションを向けるというものです。
コロナ禍による行動制限や将来への不安によって人々はストレスを抱え、仕事やプライベートの中でもコミュニケーションが減少することによって周囲の変化に気づく関係性が希薄になっていることから、精神臨床のみならず、家庭や学校、ビジネスを含めた管理者研修などあらゆる場で、人々が自分自身に対して思いやりを持ち、現実と向き合う力を養うためにセルフコンパッションが活用されるようになってきました。
この新たなヒューマン・ケアとしての「セルフコンパッション」の全体像の理論と実践を紹介していただき、皆様と共に考える機会としたいと考えています。
2023年3月
第24回大会準備委員会(代表 遠藤公久)
Ⅰ.会期および開催形態
1. 会 期 2023年7月1日(土)~7月31日(月)
2. 方法 オンライン配信
Ⅱ.プログラムの概要
1.基調講演
テーマ:セルフケアできていますか?~セルフコンパッション、マインドフルネスを活かして
講 師 :髙宮 有介氏
(昭和大学医学部 医学教育学講座 客員教授)
1992年に昭和大学病院内で緩和ケアチームの活動を開始。2001年に昭和大学横浜市北部病院緩和ケア病棟を創設。2007年に昭和大学医学部の医学教育担当を経て、昭和大学医学部医学教育学講座の教授として、医療系学生の指導にあたる。また緩和ケアを通して、死から生といのちを考える講義に携わりながら、医療者自身の心のケアやスピリチュアルケアの大切さについても、広く発信し続けている。「大学病院の緩和ケアを考える会」代表世話人、日本死の臨床研究会顧問・世話人、日本ホスピス緩和ケア協会理事を務めるなど、日本における緩和ケアの第一人者である。主な著書『がんの痛みを癒す』『臨床緩和ケア』など多数。
2. シンポジウム (オンデマンド)
テーマ:ヒューマン・ケア領域におけるセルフコンパッションの可能性
シンポジスト :鷹田佳典氏
(日本赤十字看護大学さいたま看護学部・准教授)
(医療社会学の立場から)
シンポジスト :秋山美紀氏
(埼玉県立大学保健医療福祉学部・教授)
(精神看護学の立場から)
シンポジスト :石村郁夫氏
(東京成徳大学応用心理学部・准教授)
(臨床心理学の立場から)
指定発言 :髙宮有介氏
(昭和大学医学部・教授)
座長 :中込さと子氏
(信州大学医学部・教授)
:遠藤公久氏
(日本赤十字看護大学さいたま看護学部・教授)
3.一般演題 (オンデマンド)
ポスター発表のみ
Ⅲ.研修会
テーマ セルフコンパッションとは何か?~自分を思いやるための実践方法~
講 師 :石村郁夫氏
(東京成徳大学応用心理学部臨床心理学科 准教授)
日 時 :2023年7月15日(土)13:30~15:00
方 法 :オンライン(リアルタイム ライブ配信になります。)
研修会概要:セルフコンパッションは,人生における感情的なウェルビーイングと満足感を獲得する上で,非常に有効な方法であると言われています。この度は,コンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)の提唱者であるポール・ギルバート博士のもとで,CFTトレーニングを受けられ,現在,CFTの研究,教育,実践家としてご活躍されている石村郁夫先生をお招きします。本研修会では,CFTの基礎理論と,セルフ・コンパッションの基本的なエクササイズを体験し,「自分を思いやるための実践方法」を学びます。
Ⅵ.第24回学術集会・研修会の参加申込・手続きなど
1.参加申込方法
参加申込専用フォーム(URL: https://ws.formzu.net/dist/S728819251/ )よりご登録ください。
2.参加費の支払い
• 学生参加費(学部生のみ)を利用される場合は、申込時に学生証を添付してください。
• 振り込み時、申し込みフォームに記入したお名前で下記の振込先に振り込んで下さい。
• 支払い確認後にオンデマンド視聴に必要な情報および領収書・参加証発行のご案内をメールで送付いたします。
3.大会プログラム・抄録集
参加者には別途HP上で公開いたします。
4.参加申込期間
2023年4月17日(月)〜6月24日(土)
5.参加費
(1)大会参加諸費用一覧
参加申込区分 | 支払期限 | 大会参加費 | 参加可能内容 |
---|---|---|---|
①会員 | 2023年6月24日(土) | 5,000円 | 全プログラム(研修会は別料金) |
②発表予定である非会員の共同研究者 | 6,000円 | 全プログラム(研修会は別料金) | |
③発表予定である非会員の共同研究者(発表のみ参加) | 3,000円 | 発表のみ | |
④発表予定のない非会員 | 3,000円 | 基調講演・シンポジウム・一般口演視聴 | |
⑤大学学部生 | 2,000円 | 基調講演・シンポジウム・一般口演視聴 |
※ただし、演題発表、自主企画シンポジウム、ワークショップ等に応募される方は、6月17日(土)までに参加費をお支払いください。
※自主企画シンポジウム・ワークショップへの参加の可否はホームページをご覧ください。
(2)研修会費用
会員・非会員共に3,000円
学術大会への参加の有無にかかわらず、研修会にはご参加いただけます。
6.振込先
ゆうちょ銀行
店名:〇一八(ゼロイチハチ)
店番:018
預金種目:普通預金
口座番号 4886160
口座名義 日本ヒューマン・ケア心理学会
ニホンヒューマンケアシンリガッカイ
※大会と研修会の両方に参加される方は、両者を一緒にご入金ください。
また、研修会のみに参加される方は、振り込み時に振込者氏名記入欄に、「研修会」と「スペース」を最初に入れた後に参加者名を入力してください。
例:研修会 ヒューマン心理子
Ⅳ.一般演題の申込み
1.応募資格
(1)参加費を振り込みましょう。
• 筆頭発表者は本学会の正会員に限ります。非会員の場合は、事前に入会手続きをお願いします。
• 発表者は6月17日(土)までに参加費をお支払いください。
• 連名発表者に非会員が含まれる場合は、非会員1名につき3,000円の発表登録料が必要です。発表登録料は筆頭発表者が全員分をとりまとめ、6月18日(土)までに振込みを済ませてください。
• 非会員連名発表者が学術集会にご参加される場合は、参加費として6,000円(発表登録料の3,000円含む)を振込んでください。
(例)正会員発表者Aさんと発表のみ希望の非会員発表者Bさんと他のプログラムにも参加希望の非会員発表者のCさんによる3名での連名発表の場合
Aさんが8,000円(自身の5,000円+Bさん3,000円)を支払う
Cさんが6,000円を支払う
(2)研究倫理の手順を踏みましょう。
• 演題は研究倫理審査の手続きを経て、承認が下りている研究内容、あるいは、研究倫理に十分配慮して実施されたことが明記されているものとします。
2.発表形式の諸注意
• 一般演題はパワーポイント(.mp4ファイル提出)等での発表(オンデマンド)のみとなります。
• 発表は学術集会会期中、いつでも閲覧可能です。質疑がある場合は、発表者にメールし、メール上でやり取りを行ってください。
• ポスター内容:タイトルを含め、発表時間15分程度(パワーポイント10枚程度)をご用意ください。
• 基本的に音声付きスライドショーでの作成となりますが(作成マニュアルあり)、難しい場合は音声なしの説明テキスト付きパワーポイント作成を受理することもできます。詳細は申し込み後の作成要項でお知らせします。
• 演題番号は大会事務局で準備します。
3.発表申込方法
• 発表をご希望の方は、発表申込専用フォーム(https://ws.formzu.net/dist/S383639834/)よりご登録ください。
• 発表申込専用フォームにご登録いただいたメールアドレス宛てに後日、大会事務局より「発表抄録・発表原稿作成要項」「抄録集原稿テンプレート」をお送りします。
• 上記の「抄録集原稿テンプレート」に必要事項をすべてご記入の上、提出専用アドレス宛にメール添付にてお送りください。
※提出専用アドレスは、発表申込専用フォームよりご登録いただいた方のみにお知らせいたします。
4.申込期間およびその後の手続き
• 発表申込期間: 2023年4月17日(月)〜5月7日(日)
• 抄録集原稿提出締切:2023年5月12日(金)
• 発表演題は、未発表・未投稿のものに限ります。
• 発表原稿提出締切:2023年6月16日(金)
• 期日までに抄録集原稿テンプレートが届かない場合は、発表申込は取り消しとなります。
5.採択の通知
• 査読後、演題登録者に結果を通知します。
• 発表上のご留意事項
学会発表は、抄録集の掲載とともに、パワーポイント等での発表をもって学術業績となります。
抄録集の掲載のみでは「学術業績」となりません。
Ⅴ.自主企画シンポジウム・ワークショップの申込み
「自主企画シンポジウム・ワークショップ」とは、会員の方に自由にテーマを設定し、企画、運営いただくものです。
本大会における開催数は最大2件までとし、定員になり次第、申込専用フォームに掲示します。
1.応募資格
• 企画代表者は正会員の方に限ります。
• 企画者は全員2023年6月17日(土)までに参加費をお支払いください。
2.発表形式
• 企画代表者が必要に応じて出演者(座長、話題提供者、指定討論者など)や人数をお決めください。
• 1企画につき60分程度で、内容を動画で提出してください。
• オンデマンドが基本ですが、ディスカッションが必要な場合は企画者が参加者を募り、各自時間を設定し、zoom等によりオンライン上で行ってください。
• 発表後、内容を報告していただきます。
3.申込方法
• 自主企画シンポジウム・ワークショップの発表をご希望の方は、学術集会への参加申し込みを行った上で、発表申込専用フォーム(https://ws.formzu.net/dist/S1111220/)よりご登録ください。
• 発表申込専用フォームにてご登録いただいたメールアドレス宛てに後日、大会事務局より「自主企画シンポジウム・ワークショップ作成要項」「自主企画シンポジウム・ワークショップエントリー用紙」をお送りします。
• 上記の「自主企画シンポジウム・ワークショップエントリー用紙」に必要事項をすべてご記入の上、提出専用アドレス宛に、メール添付にてお送りください。
※提出専用アドレスは、発表申込専用フォームよりご登録いただいた方のみにお知らせいたします。
4.申込期間およびその後の手続き
• 発表申込期間:2023年4月17日 (月)~5月7日(日)
• 自主企画シンポジウム・ワークショップエントリー用紙提出締切:2022年5月12日 (金)
• 発表演題は、未発表・未投稿のものに限ります。
• 発表原稿提出締め切り:2023年6月16日(金)
• 期日までにエントリー用紙が届かない場合は、発表申込は取り消しとなります。
5.採択の通知
• 査読後、企画代表者に結果を通知します。
• 発表上のご留意事項
抄録集の掲載とともに、パワーポイント等での発表および発表後の報告をもって実施したことになります。
抄録集の掲載のみでは「学会発表」となりません
Ⅵ.大会・研修会に関するお問い合わせ
・大会に関するお問い合わせ
日本ヒューマン・ケア心理学会学術集会第24回大会事務局
担当:松門 協(まつじょう かなう)、石村郁夫
E-mail : 2023hc.office@j-hc.jp
・研修会に関するお問い合わせ
日本ヒューマン・ケア心理学会学術集会第23回大会・研修会事務局
担当:大場良子
E-mail : 2023hc.kensyu@gmail.com
最新情報は随時更新いたしますので、適宜ご確認ください。